韓国お寺巡り研究会



仏国寺(プルグクサ) リンク
電話 054-746-9913
 
交通 慶州駅から市内バス「仏国寺」下車、徒歩5分
特徴・見所

 13世紀の歴史書『三国遺事』によると、景徳王(キョンドクワン)10年(751)に金大城(キムデソン)が現世の両親のために創建したと伝えられています。千年の都「新羅」の建築技術や仏教思想の極致を見せてくれる韓国を代表する名刹です。
ほーりー記

一柱門解脱橋
 世界遺産にも登録されている仏国寺に出かけてきました。左は仏国寺の一柱門、右は解脱橋です。仏国寺という名前は仏の国のような完全なお寺という意味で(または新羅という国そのものがそうであることを願って)名づけられたものですが、まさにこの門を抜けて橋を渡ると、そこが極楽浄土とされています。

天王門青雲橋・白雲橋
 そして左が天王門。門内には四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)が左右に並んで立っており、仏の国を守護しています。天王門を抜けると、ガイドブックでは必ず写真が使われる『青雲橋・白雲橋(国宝)』があります。「橋」という名前がついていますが階段です。これらは一部を除いて創建当時の石がそのまま使われており、二層に分かれた合計33段の階段は、登ることで仏の国へと到達します。

 残念ながらこの石段は歩くことはできませんが、精巧に花崗岩で造られた仏の国への橋は、現世から一歩を超えていくような荘厳な力強さが感じ取れます。もともと新羅人は石工芸にずば抜けた技術を持っており、隣にある『七寶橋・蓮花橋(国宝)』や後述の『多宝塔』と『釈迦塔』など、仏国寺ではその技術の粋をそこかしこで見ることができます。

 なお、青雲橋の橋の下にトンネルのようなものがありますが、これは虹門と呼ばれており、橋に細やかな変化と躍動感を生み出してくれています。来た時には必ず見ておきたいポイントです。また写真は向かって左斜めから撮るのがお約束です。この角度が一番美しいのだと、ガイドの方が教えてくださいました。ガイドブックやパンフレットでも、必ずこの角度から撮られています。また秋の紅葉の季節には、さらに格別の美しさとなるようです。

天王門多宝塔釈迦塔
 青雲橋・白雲橋上にある紫霞門を通った先に(実際には横から回り込んで入るのですが)、仏国寺本堂の大雄殿があります。そしてその前に建つ二つの塔は新羅時代の芸術の真髄とも言える『多宝塔(国宝)』と『釈迦塔(国宝)』です。組み物のように複雑な技巧を凝らした多宝塔と、シンプルな姿の釈迦等の対比は、目を何度も往復させながら見入ってしまう空間の美があります。

 多宝塔は多宝如来が釈尊の説法を賛美してこれを証明したことの象徴と言われています。また釈迦塔は無影塔とも呼ばれ、釈迦の常住説法の象徴です。この釈迦塔には百済の石工、阿斯達(アサダル)とその妻の阿斯女(アサニョ)の悲劇の伝説も伝えられています。それは遠くから夫を訪ねて来たものの、塔が完成するまで阿斯達と会えなかった阿斯女は、「塔が完成したら影池に塔の影が映る」と聞いてほとりで待っていたところ、映った影に歓喜のあまり池に飛び込んで溺れ死んでしまったそうです。

 二つの塔に挟まれて真正面に建つのが大雄殿で、こちらはお寺の中心にふさわしい荘厳さときらびやかな丹青(建築物の壁面に描かれる絵や文様)を併せ持つ建物でした。内部には木造の釈迦牟尼仏と脇待の弥勒菩薩、過去の燃灯仏である羯羅菩薩を安置し、過去・現在・未来を表しています。

無説殿観音殿極楽殿
 その他、大雄殿の周りには無説殿、観音殿、毘盧殿、極楽殿など、朝鮮時代初期〜後期の様式を用いた(その時代に建てられているということではありませんが)美しい建物を楽しめ、売店では充実したグッズ類が用意されています。また御朱印もありました。御朱印の文化は韓国ではほとんどありませんが、日本人観光客が多いためか、行われているようです。



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