韓国お寺巡り研究会



祇林寺(キリムサ)
電話 054-744-2292
 
交通 慶州市外バスターミナルから30分「魚日」下車、祇林寺行きバス乗り換え
特徴・見所

 新羅27代善徳女王12年(643)に創建され、朝鮮王朝時代の三十一大本山の一つとされた古刹です。かつては仏国寺を含む60あまりの末寺を持つ大寺院でしたが、現在は逆に仏国寺の末寺になっています。街の喧騒を離れた静かな地にあり、ゆったりとした空気の漂うお寺です。
ほーりー記

一柱門天王門
 祇林寺は少し街から離れた静かな郊外にあります。丹青の美しい一柱門をくぐり、木々に囲まれた参道を抜けると、少し平べったい印象を受ける天王門にたどり着きます。途中にはリスが走り回る姿が見えたりと、自然も豊かでのんびりとした風情です。

持国天増長天広目天多聞天
 上は天王門の中にいた四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)です。仏法を守護する役目を持ち、それぞれの呼び名は日本と同じですが、持物は異なっています。

 東方と春を司る持国天は琵琶を持っていますが、これは草が芽吹き、生物が活動を始め、万物が蘇るのを音楽を奏でて祝福しているそうです。

 南方と夏を司る増長天は、疫病や毒虫を退治するため宝剣を構えています。

 西方と秋を司る広目天は右手で龍を押さえ、左手には宝珠を携えています。これは龍が宝珠を持つと雨が降るとの言い伝えから、実りの季節が晴天に恵まれるようにとの願いが込められているようです。

 そして最後に北方と冬を司る四天王リーダーの多聞天ですが、この季節は農業ができないので勉強をするようにと、仏法の象徴である宝塔を手に掲げています。

遺物展示館  このお寺で有名なのは、なんと言っても木片や紙を漆で固めて作った乾漆菩薩坐像です。

 木で骨格を作った後に麻布を回し、その上に泥を塗り、中をくりぬいて漆を塗って作ったとのこと。韓国では非常に珍しい製作技法の仏像です。

 半跏踏み下げ(というのか、足は右足を下ろしていました)で煌びやかな装飾をまとい、静かに力強い笑みをたたえた仏様でした。

 この乾漆菩薩坐像を始め、いくつかの貴重な資料が、左の写真の遺物展示館で見ることができます。

 また個人的に、仏像よりよっぽど印象に残ったのは、広い境内に数多く配置された建物です。

大寂光殿薬師殿
 祇林寺の本堂であり、六回に渡って建て直されたが元は善徳女王12年(643)に建てられた大寂光殿は、柱の力強さと組み物の美しさ、均整の取れた屋根が秀逸です。中に入ると大きな昆盧遮那仏が安置されています。

 また薬師堂は1600年代以前に建立されたと推定されており、低い基壇の上に正面3間、側面1間の切妻屋根の建物です。名前の通り薬師仏が奉られています。

鎮南楼応真殿
 その他、文祿の役の際に水軍や僧兵活動の本拠地に使われたといわれる鎮南楼や、多くの白い羅漢像が奉られている応真殿なども見応えのある建物でした。



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