韓国お寺巡り研究会



浮石寺(プソクサ)
電話    
交通 栄州市外バスターミナルからバス
特徴・見所

 韓国で最も美しいとも言われる無量寿殿など、多くの美しい建物が並ぶお寺です。展望もすばらしく、山々の連なる風景が見渡せます。
ほーりー記

一柱門極楽殿
 韓国のお寺にしては珍しく、建物には丹青の鮮やかな色使いがほとんど使われておらず、日本のお寺のように古色を感じられる木造建築が建ち並んでいます。最初に『太白山浮石寺』と書かれた一柱門をくぐり、しばらく参道を歩くと四天王が両脇を固める天王門にたどり着きます。そして階段を登ると境内に入り、梵鐘楼に。

 と、ここで鋭い人なら気が付くかもしれません。梵鐘楼には『鳳凰山浮石寺』の額が。あれ? 山号が違うぞ! 一柱門では「太白山」、梵鐘楼では「鳳凰山」。うーん。山号が2つあるのか、それとも歴史の過程で変わったのか。残念ながら、なぞは解けませんでした。

安養門安養楼
 さて、気を取り直して、さらに階段を登って安養門へ。ここをくぐるといよいよ本堂の無量寿殿です。その前に、階段を登りきったところでくるりと後ろを向くと、とてつもなく雄大な山の風景が見渡せます。風が気持ちよく、眺めにしばらく見惚れてしまいます。目の前に置かれた石燈もすらりと均整の取れたプロポーションで、美人です。なんだかちょっと、ここは別世界のような気がします。

無量寿殿  そしていよいよ、無量寿殿。黄色い壁が韓国らしいところですが、意外にシンプルです。が、少し細長い造りや反り返った屋根、丸みを帯びた柱や精巧な組み物などなど、日本の建物にも似たイメージがあり、私にも馴染みやすい建築物でした。

浮石と彫られた巨石  さらに無量寿殿の裏に回ると、まだまだ面白いものを発見! なんかやたらと大きな岩がせり出しているのですが、そこには『浮石』と彫られています。この石、ひょっとして空を飛んだりしたのでしょうか? そういえば平べったくて乗りやすそうな形をしているし、この大きさなら10人は楽に乗れそうです。

 などと、妄想してみましたが、パンフレットには「無量寿殿の西側の大きな岩には浮石寺の名称にかかわる伝説が伝わっている」と書かれるのみで、肝心の伝説の内容は書かれていませんでした。求む。伝説。

 さてさて、そしてですが、こちらのお寺には宿泊もしてきました。本当はまだテンプルステイは受け付けていなかったのですが、調査ということで特別に宿泊させていただきました(2008年には宿泊施設が完成し、テンプルステイを始めるとのことです)。

 私が宿泊したのは、月に一度の三千拝の行われる日です。三千拝とはお経を唱えながら立ったりひざまずいて礼をする五体倒地を、名前の通り三千回繰り返す行です。19時から始まり翌朝の3時ごろまで続く厳しい行で、さすがに韓国という慣れない地でもあるため、最初の100回くらいのさわりだけを体験させていただくことにしました。

梵鐘楼で太鼓を叩くお坊さん  日も暮れて梵鐘楼でお坊さんが太鼓を鳴らすところなどを見学した後、無量寿殿で三千拝が始まります。

 無量寿殿には大きな阿弥陀如来が安置されていますが、まずはその前に参加者がずらりと並び、記念撮影から始まります。お坊さんが三脚を立てて笑わせながらシャッターを切るなど、この辺りはとてもフランクなお寺です。

 そして三千拝。お経の本は貸していただけるのですが、残念ながらハングルで書いてあるので私には読めませんでした。お坊さんの合図とともに立ち、ひざまずいて礼を繰り返す。ペースも速く、これは一種のスクワット状態です。お坊さんの説明では疲れたら無理せず休んだり、水やチョコレートを口にするようにとの話でした。100回程度なのでそれほどには疲れませんでしたが、三千回やればきっとふらふらになると思います。

 また参加されていた方は若い方から年配の方まで、50人ほどはいました。初めての方も多いようで、熱心な一部の仏教徒だけでなく、広く開かれたお寺であることが感じられます。この方たちは地元から三千拝を目的にお寺に登ってきた方もいれば、お寺に長期滞在をしている方などもいるそうです。

宿泊した部屋夕食
 部屋はテンプルステイが始まるころにはまた変わっていると思いますが、私が泊まったのは小さな宿舎みたいな場所でした。布団は薄かったのですが、オンドル(床暖房)がついていて寒くはありません。が、他の方の部屋にはオンドルがついていないところもあったそうです。

 食事はお皿とお盆が一緒になたプレートに、各自で食事をよそって食べます。ご飯と味噌汁、キムチ、ジャガイモ、もやしなどが出ました。食べた後は各自で食器を洗います。食器を洗っているとき、お寺の方? 地元の方? に、突然にぶどうを頂いてしまいました。この辺はぶどうの産地でもあるそうで、おいしかったです。



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